12月に入っていよいよ年の瀬も押し迫り、来年(令和4・2022年)に放送が予定されている大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の話題もちらほら出てくるようになりました。
そんな中、鎌倉駅前の小町通りに、こんなペナントを発見。武士や僧侶が13人、ズラリ勢揃いしています。
どれが誰?一人ひとりの見分け方
どれどれ……「北条義時 鎌倉~13人の重臣~」とな。恐らく鎌倉幕府を支えた13人の合議制メンバーをデザインしたものなのでしょう。
最前列(下段)中央は大河ドラマの主人公・北条義時なのでしょうが……他はどれが誰だろう?と推理していたら、これはLINEスタンプであるらしく、既に答えがありました。
【上段・左から4名】
- 足立遠元(あだち とおもと。赤っぽい直垂、ヒゲが特徴)
- 八田知家(はった ともいえ。黒糸縅の鎧に丸顔が特徴)
- 中原親能(なかはら ちかよし。黒衣の僧侶)
- 二階堂行政(にかいどう ゆきまさ。紅色っぽい直垂、色白)
【中段・左から4名】
- 大江広元(おおえ ひろもと。黄色い直垂、知的な面長が特徴)
- 三浦義澄(みうら よしずみ。黒糸縅の鎧、八田知家より細身)
- 安達盛長(あだち もりなが。紫衣の僧侶)
- 三善康信(みよし やすのぶ。黄衣の僧侶)
【下段・左から5名】
- 梶原景時(かじわら かげとき。浅葱の鎧に白の陣羽織)
- 和田義盛(わだ よしもり。弓を構えたヒゲのいかにも荒武者)
- ここに北条義時
- 北条時政(ほうじょう ときまさ。黄緑色の直垂とヒゲが特徴)
- 比企能員(ひき よしかず。義時のライバル?ゆえか、同じ水色の直垂)
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……以上13名が「鎌倉殿の13人」として協力したり対立したり、鎌倉幕府をてんやわんやしていくのでした。
「鎌倉殿の13人」メンバーの並びに見る人間関係
せっかくなので、各メンバーの並び方についても考えてみましょう。
北条義時は主人公なので一番目立つ前列中央にやって来るのは当然として、背中を預け合うように立つ父の北条時政、その向こうにはライバルとなる比企能員。
比企能員と言えば、源氏二代を庇護してきた一族として強大な権力を握っており、生年不詳ながら義時より年配のイメージですが、ここでは実力の伯仲する若き好敵手として描かれたものと思われます。
反対側には後に粛清していく荒武者の和田義盛と、キレ者だけど人望に欠ける(こちらも後に粛清される)梶原景時を配置。外見と動きの華やかめなメンバーで注目を集めましょう。
さて中段に移ると、義時の背後を守るのは盟友・三浦義村(みうら よしむら)の父・三浦義澄と、穏和だけどここ一番で芯のある安達盛長。安心感が違いますね。
更に外側を幕府のブレーンである大江広元と、荒くれ者ぞろいな幕府の良心?である三善康信を配置。これで中段は抜群の安定感を確保できました。
残る上段はテキトーに……何てことは多分なく、向かって左手は文武で言えば武官なイメージ(デザイン)の八田知家と足立遠元を将軍家に近しい順に内から配し、逆に右手は文官な二人のうち、大江広元の兄である中原親能を内側に配したのでしょう。
そして最後に二階堂行政……などと仮説をもとにこの並びの理由を考えてみましたが、お互いの人間関係などが見えてきて興味深いですよね。
コロナ自粛でなかなかお出かけも難しい昨今ですが、もし小町通りへお越しの際は、ちょっと上空を見上げてみて下さいね。
終わりに
以上、一枚のペナントから色々考えてみましたが、一度は力を合わせて幕府を盛り立てようと結集した13名が次々と脱落していくのは、見ていて実に辛いものです。
ある者は死に、またある者は殺され……血で血を洗う政治抗争の果てに幕府の実権を握って実質的な頂点に上り詰めた義時に待ち受けていたのは、後鳥羽上皇からの挑戦(承久の乱)でした。
「ここで退いたら、今まで殺していった者たちに申し訳が立たぬ!」
最終決戦に臨む義時の葛藤と決断、そこへと至る経緯が濃密に描かれるであろう大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、今からとても楽しみですね!
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