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【大河ジョン万】万次郎が食ったアホウドリを「とうくろう」と呼ぶのはなぜ?他の呼び名も一挙に紹介!

幕末維新
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天保12年(1841年)1月5日、万次郎たち5人(筆之丞・重助・五右衛門・寅右衛門)は漁船に乗り組んで土佐国宇佐浦(高知県土佐市)から出航したものの、足摺岬の沖合で難破してしまいました。

5日半とも10日間とも言われる漂流の後、万次郎一行は伊豆諸島の一つ・鳥島(とりしま。東京都八丈支庁)にたどり着きます。

ここで彼らは143日間にわたるサバイバル生活を余儀なくされるのですが、彼らの命を支えた一つがアホウドリの存在でした。

人間に対する警戒心が薄く、簡単に捕らえることができたため、アホウドリと呼ばれたのです。全長は約1メートル弱、翼を広げると約2メートルという巨体から、さぞ喰いでがあったことでしょう。

ところでアホウドリについて、土佐弁では「とうくろう」と呼ばれました。漢字で藤九郎とも書かれるようですが、一体どういう由来があるのでしょうか。

また他の呼び名についても紹介したいと思います。

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こんなにたくさん!アホウドリの呼び名を一挙紹介!

優雅に浮かぶアホウドリ(イメージ)

アホウドリが「とうくろう」と呼ばれた理由について調べたところ、はっきりと理由を述べている資料はありませんでした。

土佐弁に「てんくろう(嘘つき・ホラ吹き)」という言葉があるため、「とうくろう」の「とう」部分に「愚か・バカ」といったニュアンスが込められているのかもしれません。

ちなみに他の呼び名もあるので、一緒に見ていきましょう。

  • シカベ……北海道、アイヌ語
  • ダイナンカモメ(大灘鴎)……関東地方、大海原のカモメ
  • オキノジョウ(沖の尉)……山口県、堂々と立派な海鳥
  • オキノタユウ(沖の大夫)……山口県、美しく優雅な海鳥
  • ライノトリ(来の鳥)……九州北部、鯨と一緒に来る鳥
  • シラブ(白海鵝)……八丈島・小笠原諸島、白い海のガチョウ
  • クロブ(黒海鵝)……八丈島・小笠原諸島、黒い海のガチョウ
  • バカドリ(莫迦鳥)……八丈島・小笠原諸島、そのまま
  • アホウドリ(阿房鳥)……京都・沖縄地方、そのまま
  • オオトリ(大鳥・巨鳥)……一般名詞、大きな鳥
  • カイガ(海鵝)……一般名詞、海のガチョウ
  • シンテンオウ(信天翁)……中国明代(14~17世紀)の故事にちなむ
  • アルバトロス(P. albatrus)……学名

オオトリなどはいかにもそのまんま、アルバトロスと聞くと、何だかカッコいいですね。バカだのアホウだの呼び続けるのは可哀想なので、今後はオキノタユウに変更した方がいいという考えもあります。

ちなみに信天翁とは天を信じるお爺さん(翁)、これは他の鳥が魚を落としてくれるのを待っている様子を表わしているのだとか。実際にそんなことをするかはともかく、そのくらい呑気でユーモラスに見えるということでしょう。

皆さんは、アホウドリのままがいいですか?それとも、他の名前に変えた方がいいと思いますか?

アホウドリの肉を食べた万次郎たち。食中毒は大丈夫?

子育てをするアホウドリ(イメージ)

さて、話を万次郎一行に戻しましょう。アホウドリを捕まえるのは簡単ですが、その肉を調理するための火を起こすのは、一苦労だったようです。

鳥島の航空写真を見る限りではまったく草木が生えていない訳でもないため、何とか火おこしはできたかもしれません。味つけは海水くらいでしょうか。湧水はないため、雨水を貯めて喉を湿らせていたものと考えられます。

時には(特にサバイバル初期は)生でアホウドリの肉をむさぼり食ったのでしょうか。食中毒を起こして、のたうち回ることもあったのかもしれません。

また、サバイバル生活の後半になるとアホウドリがよそへ行ってしまい、その肉すら満足に獲れなくなってしまいました。

もし5月9日にジョン・ハラウンド号がウミガメ捕獲のために立ち寄らなかったら、彼らの命はなかったかもしれませんね。

終わりに

アホウドリのお陰で生き延びた万次郎(イメージ)

かくして保護された万次郎一行は鳥島を離れ、後に万次郎は文久3年(1863年)に鳥島を再訪・上陸し、日本領土であることを示す高札を建てました。もうアホウドリを食べたいとは思わなかったことでしょう。

その後、アホウドリは明治20年(1887年)からリン資源や羽毛を目的とした乱獲が行われ、昭和11年(1936年)に禁猟とされるまで630万羽が補殺されたそうです。

現在では絶滅危惧種(VU・危急種)に指定されており、平成30年(2018年)の調査では総個体数5,165羽と推定されています。

果たして大河ドラマ「ジョン万」では、とうくろう(アホウドリ)がどのような形で描かれるのでしょうか。万次郎たちのサバイバル生活を見守りたいと思います。

※参考文献:

  • 大橋弘『鳥の名前』東京書籍、2003年10月
  • 新人物往来社編『別冊歴史読本64 世界を見た幕末維新の英雄たち』新人物往来社、2007年4月
  • 田中弘之『幕末の小笠原 欧米の捕鯨船で栄えた緑の島』中央公論社、1997年
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