第7回放送「好機到来『籬(まがき)の花』」
蔦重(横浜流星)は今の倍売れる細見を作れば、地本問屋仲間に参入できる約束を取り付ける。しかし西村屋(西村まさ彦)と小泉忠五郎(芹澤興人)が反発し、阻もうとする。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)の重版事件・失脚にともない、とって代わって地本問屋への道を前進する蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)。
しかし既得権益を奪われたくない西村屋与八(西村まさ彦)と小泉忠五郎(芹澤興人)は蔦重に難題を課しました。
今の倍売れる吉原細見を作れば地本問屋の仲間入りを認める約束を取りつける蔦重。大いに意気込んで作ったのが吉原細見『籬の花(まがきのはな)』。
果たしてどんな工夫があるのでしょうか。
吉原細見『籬の花』基本データ
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- 発行:安永4年(1775年)孟秋(7月)
- 板元:蔦屋重三郎(当時26歳)
- 寸法:18.8×12.6センチ
- 分量:40ページ
- 巻数:全1巻
- 構成:
・序文2ページ
・縁日1ページ
・地図34ページ
【地図内訳】
>大門前1ページ
>待合の辻(まちあいのつじ)1ページ
>中の町(なかのまち)2ページ
>江戸町(えどちょう)一丁目6ページ
>江戸町二丁目4ページ
>角町(すみちょう)5ページ
>京町(きょうまち)一丁目5ページ
>京町二丁目10ページ
・芸者(男女)1ページ
・舟宿1.3ページ
・広告0.6ページ
・奥付0.1ページ
※最後の小数点は筆者による目分量なので、ご参考まで。
吉原細見『籬の花』名前の由来は?
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吉原細見『籬の花』。サブタイトルの籬とは何でしょうか。
籬(まがき、間垣)とは木や竹で編んだ垣根で、文字通り隙間があいていたからそう呼ばれました。
よく蔦草が絡みついて花を咲かせるなどしており、色とりどりの様子が吉原遊廓を思わせます。
また見世の遊女たちと表通りのお客を隔てる格子窓のようにも見えるでしょうか。
すぐそこに見えるけど、あと少しで届かない。そんなもどかしさをタイトルに表現したのかも知れませんね。
今の倍、売れるのか?
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しかしこの吉原細見『籬の花』、さっきからずっとページを行ったり来たりしていますが、ほとんど文字ばっかりです。
これで今の倍を売ることが出来るのでしょうか。
以前の吉原細見『嗚呼御江戸』みたいに序文が面白い?かと言えば、どうもそんなことはなさそうですし(もちろん、つまらないって訳じゃありませんが)……謎ですね。
あるいはこの本体とは別に、みんなが買って吉原遊廓へ足を運ばずにはいられない、そんな工夫があるのでしょうか。
もし読者諸賢の中に「こうではないか?」というアイディアや「こういうことだよ」という知見をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ともご教示ください。
終わりに
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今回は蔦屋重三郎が更なる飛躍を賭けて出版した吉原細見『籬の花』を読んでみて、その謎に迫ってみました。
が、今のところ「ドッカンドッカン」売れそうな気配がありません。
果たして蔦重はここからどうやって売上を伸ばすのでしょうか。
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」これからも楽しみですね!
※参考文献:
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