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【光る君へ】双寿丸を送る唄「二つにひさしき鹿島立」とは?歌詞の意味を歴史ライターが考察

コラム
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♪二つにひさしき鹿島立(かしまだち)、弥栄々々(いやさか、いやさか)……♪

※NHK大河ドラマ「光る君へ」第43回放送「輝きののちに」より。

大宰府へ旅立つ双寿丸(伊藤健太郎)にふられてしまった藤原賢子(南沙良)。せめて思い出を作ろうと、壮行会を企画しました。

一家そろって賑やかな宴席の中、下人?の福丸(勢登健雄)が唄い踊ったのが上記の歌詞です。

これにはどういう意味があるのか、歴史ライターが考察してみました。

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鹿島明神に武運長久を祈願

鹿島明神こと武甕槌命。岳亭晴信筆

結論から言いますと、歌詞はこのような意味になります。

【意訳】鹿島明神に祀られる二柱の神に、武運長久と弥栄を祈願する。

なぜそう解釈できるのか、歌詞の各フレーズを分解してみましょう。

  • 二つに:二柱の神に
  • 久しき:武運長久を祈願する
  • 鹿島立:旅立ちに際して鹿島明神へ詣でること
  • 弥栄:ますます、永遠に栄える

二柱の神とは、鹿島明神として祀られる武甕槌命(タケミカヅチ)と、香取明神として祀られる経津主命(フツヌシ)。それぞれ剣を振った時に煌めく白刃の光と、白刃が空を切る音の神格化と言われ、古来武神として武人たちから崇敬されてきました。

その総本社は現代の鹿島神宮と香取神宮であり、今も多くの人々から崇敬されています。

かつて筑紫(九州)へ赴任する防人たちや武士たちが無事に帰れるよう、鹿島明神に武運長久を祈願したのが鹿島立の由来です(諸説あり)。

武功を求めて大宰府へ赴く双寿丸には、おあつらえ向きの歌詞と言えるでしょう。

これが転じて現代でも、単に旅立ちを鹿島立と呼ぶケースもあるそうです。

双寿丸という名前の由来は?

ここまで考察してきて、ふと気づきました。

あくまで憶測ながら、双寿丸の名前って、こう分解できないでしょうか。

  • 双(ふたつ)に
  • 寿(ひさし)き

つまり歌詞が元にあり、歌詞から若武者の名前を考えたのでは?と思ったのです。

この歌詞の出どころについてはまだ調べ切れていませんが、そんな可能性が感じられてなりません。

実際のところがわかったら、また改めて紹介したいと思います。

終わりに

武功を立てて、大出世なるか?(イメージ)

大宰権帥として赴任する藤原隆家を護衛する平為賢に随従して大宰府へ旅立つ双寿丸。

間もなく訪れる刀伊の入寇(といのにゅうこう。女真族の襲来)で、華々しく戦って討死するものと思われます。

でないと藤原賢子が京都で華やかな恋愛遍歴をたどれません。

果たして双寿丸がどんな最期を遂げるのか、これからも見守って行きましょう。

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