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【歴史旅】四尾連湖(山梨県市川三郷町)に伝わる龍神伝説。神秘的な美しさを堪能

伝承民俗
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私事で恐縮ながら、四尾連湖に行って来ました。この漢字で「しびれこ」と読みます。音だけ聞くと、何だか電気ウナギでも棲んでそうですね。

四尾連湖は山梨県市川三郷町の山奥にひっそりと存在し、知る人ぞ知る神秘スポットとして人気を集めています。

やって来ました、四尾連湖へ。筆者撮影(c)歴史屋

今回はそんな四尾連湖を訪れる機会に恵まれたため、喜び勇んで行ってきました。現地での感想などをまとめているので、皆さんが訪れる際のご参考にどうぞ。

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龍神「尾崎龍王」の棲む湖

四尾連湖は標高およそ850メートル、蛾ヶ岳(ひるがたけ)の中腹に位置し、その周囲はおよそ1.2キロと小さな湖です。

賑やかだけど、うるさすぎず、静だけど寂しくない。ちょうどいい感じ。筆者撮影(c)歴史屋

その成り立ちについては諸説あり、火山活動によって発生したカルデラ湖とも地震等によって地面が陥没した湖とも言われますが、いまだ定説を見ていません。

地図を見ると、四尾連湖はどの川ともつながっておらず、満々とたたえる湖水は湧水と雨水のみからなっています。それなのに、雨の多い年も日照りの年も水面の高さが変わらないというのです。

これは四尾連湖に棲んでいるという龍神様と何か関係があるのでしょうか。恐らくは、どこか見えないところでしみ出しているものと考えられます。

ところで四尾連とはその名の通り、四つの尾を連ねた龍神「尾崎龍王(おざきりゅうおう)」に由来すると言われ、別の当て字で「志比礼湖」や「神秘麗湖」などとも書かれるそうです。神秘的で麗しい湖なんて、素敵じゃないですか。

尾崎龍王という名前を見ると、何だかキラキラネームっぽくも見えます。この尾崎はもしかして「尾裂き」、何かの事情で尾が四つに裂けたor裂かれたのかも知れません。

この辺りの可能性も、今後深掘りしていきたいですね。

今も残る雨乞い伝承

龍神様が雨を降らせた?(イメージ)

また、四尾連湖には雨乞い伝承も残っていると言います。今は昔の江戸時代(17~18世紀ごろ)、ある武士の二人兄弟がこの湖に棲んでいた牛の妖怪を退治したものの、相討ちになってしまいました。

これが龍神様の涙を誘ったのか、にわかに大雨が降り出し、日照りに苦しんでいた人々が救われたということです。

それからと言うもの、日照りの時には兄弟の墓へ詣でると共に、牛の頭を湖に沈めて雨乞いを行ったのでした。

最初に退治された牛の妖怪は何か悪いことをしていたのかも知れませんが、雨乞いに際して犠牲となった牛は気の毒ですね。奉げられた頭は、龍神様が美味しくいただいたのでしょうか。

この伝承はいつでも水位の変わらない(水が涸れることがない)四尾連湖から水を汲んで日照りをしのいだ人々が、龍神様への感謝を忘れぬように生まれたものかも知れませんね。

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青空に映える深い緑と神秘の湖

前置きが長くなりましたが、そんな四尾連湖に行った感想を以下にまとめます。

(※取材当時の情報ですから、あくまで参考です。実際に訪れる方は事前に確認した方がいいでしょう)

駐車場はすべて有料でした。一番手前の駐車場は入口に停まっている軽トラの荷台から封筒を一枚とり、中に500円を入れて表に車のナンバーを記入して薄開きになっている窓から投入します。

そこから坂を下ると四尾連湖龍雲荘キャンプ場があり、その向こうにはお目当ての四尾連湖が美しく空を映していました。

場所によって、水際も楽しめる。筆者撮影(c)歴史屋

湖の周囲には遊歩道があり、湖のすぐそばを歩いて回ることができます。先ほど紹介した通り約1.2キロなので、大人の足ならのんびり10~15分で回れるでしょう。

湖面はボートやサップボード(大きなサーフボードをオールで漕ぐウォータースポーツ)を楽しむ人で賑わい、中には釣りを楽しむ人もいます(有料。環境保全協力金が必要)。

湖の対岸にもキャンプサイト(四尾連湖水明荘キャンプ場)が広がっており、その先には尾崎龍王を祀る石碑が建立されていました。

尾崎龍王を祀る石碑。筆者撮影(c)歴史屋

「尾崎龍王 内八湖第八番鎮座所」

石碑側面に刻まれた日付は嘉永7年(1854年)7月7日。7が三つ並んでいると、何だか縁起がよさそうですね。

この頃は前年から相次ぐ大地震や京都御所の火災、そしてペリーの来航など不安定な世情に人々は不安な日々を過ごしていたと言います。

そこで同年11月に安政と改元。人々がこの石碑を建立したのも、龍神様にすがりつくような思いだったからではないでしょうか。

ちなみに「内八湖(うちはっこ)」とは富士八湖or富士八海とも呼ばれ、富士山の周囲にある明見湖(あすみこ)・浮島湖・河口湖・西湖・四尾連湖・精進湖・本栖湖・山中湖を言います。

さて、ぐるりと歩いて戻ったら、四尾連湖水明荘でしばし休憩。貸しボートにも乗ってみたかったですね(さすがに足漕ぎドラゴンボートは恥ずかし過ぎますが……)。

陽光に煌めく湖面と、山間を吹き抜ける爽やかな風を堪能しました。

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終わりに

絶好の避暑地。次はサップボードもチャレンジしてみたい。筆者撮影(c)歴史屋

都心から車でおよそ2時間半(Google調べ。中央自動車道経由)で来られる四尾連湖。ほぼ手つかずの自然を満喫するには、絶好のスポットでした。アウトドア好きなら一度は訪れる価値ありですね。

近ごろはTVアニメ「ゆるキャン△」にも登場する聖地として有名になったらしく、若いファンも多く楽しんでいると聞きます(そう言えば、売店に等身大?パネルが置いてありました。撮っておけばよかったかも)。

山梨県が誇る豊かな自然を、いつまでも大切にしながら楽しみたいですね。

四尾連湖・基本データ

季節ごとに、バードウォッチングも楽しめる。筆者撮影(c)歴史屋
所在地〒409-3602 山梨県西八代郡市川三郷町山家四尾連
標高850メートル、面積0.077平方メートル、最高深度10メートル
アクセスJR身延線市川大門駅から自動車で約30分(※レンタカーがいいかも)
JR身延線市川本町駅から徒歩約2時間30分
中央自動車道甲府南ICから約50分
中部横断自動車道増穂ICから約40分
駐車場普通車:100台(普通車400円/大型車2,000円)
問い合わせ水明荘 055-272-1030
龍雲荘 055-272-1031

(※)市川大門駅近くのレンタカー屋さん

カナモト 山梨南営業所

〒409-3605 山梨県西八代郡市川三郷町下大鳥居148-1055-288-1518

K・I交通

〒409-3601 山梨県西八代郡市川三郷町市川大門4103-2055-272-2869

※参考:

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