不愛想で働き者、家康初めての側室
※NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより
お葉 およう
[北香那 きたかな]
侍女として松平家に入った、今川家臣・鵜殿家の血筋の娘。控えめで働き者、人の嫌がる仕事も率先してやるなど、気立てがよく、家康のそば仕えをする女性を探していた瀬名と於大に見初められる。西郡の局として知られる。
松平家康(演:松本潤)に男児が少ないことを懸念した母・於大の方(演:松嶋菜々子)が、正室の瀬名(演:有村架純。築山殿)と相談して見つけた側室・お葉(演:北香那)。
出身地から西郡局(にしのこおりのつぼね)とも呼ばれた彼女は、どんな生涯をたどったのでしょうか。
鵜殿家の養女になり、菩提寺を再建
西郡局は生年不詳、鵜殿家に仕える加藤義広(かとう よしひろ。善左衛門)の娘として誕生。別名は時姫とも伝わります。
後に鵜殿長忠(うどの ながただ)の養女となった時姫は、鵜殿長照(演:野間口徹)やお田鶴(演:関水渚)にとって義理の姪となりました。
鵜殿長照らは最期まで今川氏に臣従したものの、長忠らは家康に降伏。子の鵜殿長次(ながつぐ)らともども家臣として活躍します。
やがて家康に嫁いだ時姫は永禄8年(1565年)に次女の督姫(とくひめ)を出産。後に督姫は天正11年(1583年)に坂東の雄・北条氏直(ほうじょう うじなお)へ嫁ぎました。
天正18年(1590年)に北条氏直が滅亡すると家康に従って江戸へ移住した西郡局。彼女は永禄5年(1562年)の上ノ郷城攻めで焼失した鵜殿家の菩提寺・長応寺に多額の浄財を寄進、江戸(東京都品川区)に再建させます。
そんな西郡局は慶長11年(1606年)5月14日に急死。奇しくも同じ日に榊原康政(演:杉野遥亮)も亡くなっており、人々はこれを不思議がりました。
家康は督姫が再婚していた池田輝政(いけだ てるまさ)に対して「そなたの姑であるから」と葬儀を丸投g……もとい執り行わせたとか。
京都本禅寺に葬られた西郡局は慶長12年(1607年)に姫路城外へ建立された青蓮寺へ回葬。元和4年(1618年)には更に墓所を移し、現在は兵庫県宍粟市に眠っています。
スポンサーリンク
終わりに
以上、西郡局(時姫・お葉)の生涯をごく駆け足でたどってきました。
督姫を産んだ以外は特に大きな事績もなく、ドラマのアレンジが大きく影響するキャラクターと言えるでしょう。
時に北香那さんは前作大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で“つつじ(源頼家室で公暁の母、辻殿)”を好演。本作でもその活躍が期待されます。
果たして家康とどんな関係性を築くのか、アレンジが楽しみですね!
※参考文献:
- 高柳金芳『徳川妻妾記』雄山閣、2003年8月
- 中村孝也『家康の族葉』碩文社、1997年4月
スポンサーリンク
コメント