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【大河べらぼう】皮肉屋・恋川春町(岡山天音)が詠んだ狂歌の意味は?第21回放送を振り返る

コラム
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北川政演(山東京伝。古川雄大)が戯作『御存商売物(ごぞんじしょうばいもの)』で一躍売れっ子作家になった一方、くすぶりがちの恋川春町(岡山天音)は面白くありません。

それもそのはず。『御存商売物』はかつて春町が書いたヒット作『辞闘戦新根(ことばだたかいあたらしいのね)』を下敷きにしていたのです。

世の中パロディやオマージュは当たり前だから、面と向かって文句を言う筋合いでもありません。

が、だからこそ春町は鬱屈した思いを抱え込んでいたのでしょう。

しかし春町は狂歌師たちが集う酒席で、ついに不満をぶちまけてしまいました。

今回は第21回放送「蝦夷桜上野屁音(えぞのさくら、うえののへおと)」より、恋川春町が詠んだ狂歌を振り返ってみましょう。

※ちなみにこれらの狂歌は大河ドラマの創作です。

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山東京伝に対する皮肉

山東京伝こと北尾政演(画像:Wikipedia)

今日出んと(京伝と) 女にもてぬと 焦りける
人の褌 ちょいと拝借

※山東京伝に対する皮肉

【歌意】「今日にでも出ない(戯作デビューしない)と、女にもてない」と焦るあまり、他人の盗作で人気をとって嬉しいか?

世の中、便乗商法でも二番煎じでも「売れたものこそが正義」とされる側面は否めません。

かつて鶴屋喜右衛門(風間俊介)の指図を聞けず、自分を変えられなかった偏屈さが悔やまれたことでしょう。

でも、それは自分の「味」を捨ててしまうことと表裏一体であり……さじ加減が難しいですね。

四方赤良に対する皮肉

四方赤良こと大田南畝(画像:Wikipedia)

四方の赤 酔った目利きが 品定め
岡目八目 囲碁に謝れ

※四方赤良(桐谷健太)に対する皮肉

【歌意】四方どこから見ても真っ赤に酔っ払った目で、戯作を品定めしている。絵草紙評論記『岡目八目』とはよく言ったもので、創作の当事者でもないヤツが偉そうに品評しやがって!

四方赤良の狂号と、彼が出している『岡目八目』についてこき下ろしていますね。

ちなみに岡目八目とは「囲碁の対局を横から見ていると、八目(八手)先が読める」転じて「当事者でなければ、好き勝手なことが言える」ということわざです。

最後の「囲碁に謝れ」とは、囲碁を打っている当事者たちを指しているのでしょう。気持ちは解らなくもありませんが、いささか理不尽な気もしますね。

朋誠堂喜三二にまで……

朋誠堂喜三二こと平沢常富(画像:Wikipedia)

気散じと(喜三二と) 名乗らばまずは 根詰めろ
詰めるも散らすも 吉原の閨

※朋誠堂喜三二(尾美としのり)に対する皮肉

【歌意】気晴らしと名乗る以前に、お前は根を詰めて戯作に取り組んだことがあるのか?どうせお前は吉原での女遊びしか興味がないのだろう!

荒ぶる春町先生、せっかくなだめようと入ってくれた仲間の朋誠堂喜三二にまで八つ当たりを始めました。

いつもすぐ近くにいて、サラッと戯作を書き上げてしまう態度が、内心気に入らなかったのかも知れません。

よくも悪くも大真面目な春町ですが、他人のことも気になって仕方なかったのでしょう。

酒上不埒として復活する春町

恋川春町の説得に当たる蔦屋重三郎と朋誠堂喜三二。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

春町「お前ら朝からふざけやがって、お前らなんかなぁ……!」

赤良「俺たちは『屁』だぁ~!」

にわかに始まった「屁!」コール。狂歌師連中の乱痴気ノリにつき合い切れず、ついに春町は矢立(筆入れ)から取り出した筆を折ってしまいました。

「恋川春町、これにて御免」

果たして彼が狂歌師・酒上不埒(さけのうえの ふらち)として復活するまでのプロセスが、どのように描かれるのでしょうか。

第22回放送「小生、酒上不埒にて」が楽しみですね!

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