♪七里ヶ浜の磯づたい
稲村ヶ崎、名将の
剣(つるぎ)投ぜし古戦場……♪※唱歌「鎌倉」より
時は元弘3年(1333年)、鎌倉攻めに臨んだ新田義貞(にった よしさだ)が海神に宝刀を奉納。潮が引いたことで一気に攻め込んだという伝承を歌ったものです。
この有名なエピソードを描いたミニアニメ「龍神と黄金の太刀」が、地元鎌倉で制作・公開されました。
「龍神と黄金の太刀」制作メンバー
本作の監督は沼田心之介氏。鎌倉出身で、日本昔ばなし協会の代表理事を務めています。
プロデューサーは沼田氏の弟である沼田友之介氏。兄弟の合作と言えるでしょう。
本作は「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環として制作されたもので、日本全国の海にまつわる民話を発掘・発信するために日本昔ばなし協会と日本財団が共同で立ち上げました。
今後は学校や図書館での上映や希望者への貸し出しなどが予定されています。
コラボ商品「新田もち」も発売
また本作を記念して、友之介氏の友人である菓子屋中島(腰越支所向かい)では、コラボ商品として「新田もち」を発売。
ストーリー展開に合わせた3つの味とオリジナルパッケージが用意されています。
- 出陣(ショコラ味)
- 行軍(胡麻くるみ味)
- 奇蹟(黒蜜きなこ味)
新田義貞の尊皇心を示す純白の餅でショコラを包み込んだ出陣もち。
土埃を巻き上げながら、野越え山越えいざ鎌倉へと突き進む様子を表現した行軍もち。
そして海中へ投じられた太刀の煌めきと龍神様の御神威を表す奇蹟もち。
どれも美味そうですね。腰越支所の近くに立ち寄ったら、買ってみたいと思います。
「龍神と黄金の太刀」視聴レビュー
本作はすでにYouTubeで公開されており、どなたでも視聴可能です。
5分ほどのミニアニメなので、さっそく視聴させていただきました。
そのレビューを簡単にまとめておきます。
- ストーリーは簡潔にまとまっていました。長さ的にも、子供が飽きずに観られる内容ではないでしょうか。
- 講釈のスタイルは面白いと思います。絵柄が大きく異なるのは好みが分かれるところでしょう。
- 新田義貞はじめ、武将たちのビジュアルが戦国テイスト。できれば平安鎌倉~南北朝期を追求していただけると嬉しいです。
- 例えば髷むき出しの新田義貞は、どうも織田信長に見えてなりません。兜を脱いで顔を見せるなら、烏帽子を被せるだけでも時代感が高まります。
- セリフ回しはどうでしょう。違和感を覚える部分もありましたが、この辺りは勢いで押し切った印象を受けます。
- 新田義貞を絵に動かしたことで、子供たちがイメージしやすくなったのは、本作の大きな貢献と言えるでしょう。
まずは興味を持ってもらうのが大事。細かなところは興味を持った一人ひとりが学んで行けばよいことです。
今後も新田義貞はじめ、多くの英雄たちが発掘・発信されていくことを期待します。
※参考:
- 龍神と黄金の太刀|海ノ民話のまちプロジェクトオフィシャルサイト
- 神奈川県鎌倉市の海ノ民話アニメーション「龍神と黄金の太刀」のコラボ和菓子「新田もち」が販売開始!
- 「タウンニュース鎌倉版 No.991」2025年1月24日号
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