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4月28日は「象の日」って何で?江戸時代に来日した広南従四位白象のエピソード

江戸時代
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皆さん、ゾウは好きですか?

「キリンさんが好きです。でも、ゾウさんの方がもっと好きです」

昔そんなコマーシャルがあったものの、残念ながら日本にはゾウさんが棲息していません(動物園に行けば見られますが)。

4月28日は「象の日」

しかし、日本には「象の日」という記念日があると言います。毎年4月28日が象の日ということで、どんなエピソードに由来しているのでしょうか。

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中御門天皇に謁見した広南従四位白象

時は江戸中期の享保14年(1729年)。清の商人が朝廷への献上品として、交趾広南国(現代のベトナム)から一頭の象を連れてきました。

4月28日に中御門天皇(なかみかどてんのう。第114代)が象を謁見されたのですが、朝廷では「たとえ動物であろうと、無位無官の者が御所に入るのは問題だ」ということで、急いで象に従四位の位階を与えます。

それでこの象は広南従四位白象(こうなんじゅしいはくぞう)と呼ばれるようになりました。

献上された象。河鰭実利 「象之図」

従四位は幕府の重職(老中など)や10万石以上の国持ち大名クラスに相当。とても偉かったのです(象にとってはどうでもいいことでしょうが)。

ちなみに白象とは言っても実際に身体が白かった訳ではなく、古来アジア各域で神聖な存在とされた象の表現であり、同じく神聖な御所に相応しい存在として名づけたもの。

それまで遠い異国の存在であった象を、生まれて初めて目に焼きつけた中御門天皇は、その感動を和歌に詠みました。

時しあれは 人の国なる けたものも
けふ九重に みるがうれしさ

【意訳】かねて興味のあった他国の象を見る機会に恵まれ、今日はとても嬉しい。

中御門天皇の後に、その祖父である霊元法皇(れいげんほうおう。第112代)も象を見学した感動を詠んでいます。

霊元法皇御影。画像:Wikipedia

めづらしく 都のきさの 唐やまと
すぎし野山は 幾千里なる

【意訳】めずらしく象(きさ)が都にいる。ここへ来るまで唐(から。大陸)より大和(やまと。日本)まで、幾千里もの野山を越えてきたことだろうか。

情しる きさのこころよ から人に
あらぬやつこの 手にもなれきて

【意訳】情け深い象(きさ)の広い心は、唐人でない奴(やっこ。ここでは日本人の象使い)にも慣れてきたようだ。

このエピソードにちなんで4月28日が「象の日」とされた……とのことですが、特に記念日として登録などはされていないようです。

いつの間にか定着した「象の日」。果たして誰が提唱したのでしょうね。

なお、謁見を終えた象は時の将軍・徳川吉宗(とくがわ よしむね)に引き取られた後、民間に払い下げられて寛保2年(1743年)12月13日に病死。推定21歳ということです。

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4月15日は「象供養の日」、8月12日は「世界ゾウの日」

ちなみに、象にまつわる4月の記念日と言えば、4月15日は「象供養の日」とのこと。

大正15年(1926年)4月15日、東京の護国寺で象牙のために殺された象たちを供養する第1回法要が営まれたことを記念。以来、現代に受け継がれているそうです。

当時の瓦版に描かれた象。画像:Wikipedia

象牙は古くから「きさのき(象の木)」と呼ばれ、美術品や装飾品などに活用されてきました。しかし、乱獲や密猟によってその数が激減してしまいました。

世界最大級の象牙マーケットを有する(法規制がザルで、密猟象牙取引の温床になっている)日本にも国際的な批判が集まっており、象牙取引の規制強化や象牙に代わる工芸素材の普及による象牙需要の抑制が急務です。

8月12日には象の保護を呼びかける「世界ゾウの日」もあり、象と人間の末永い共存が望まれます。

※参考文献:

  • 石坂昌三『象の旅 長崎から江戸へ』新潮社、1992年5月
  • 和田実『享保十四年、象、江戸へゆく』岩田書店、2015年3月

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