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【可愛い】松潤にクマ耳?金ピカ兜の横についてる小さな丸いの、あれなぁに?【どうする家康】

戦国時代
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NHK大河ドラマ「どうする家康」皆さんも楽しんでいますか?

筆者は毎週楽しみで、次はどんな展開が待っているのか、熱く注目する日々です。

さて、徳川家康(演:松本潤)の武者姿を観ていた方より、こんなお問い合わせを頂きました。

「ねえ。松潤がかぶっている金ピカの兜にクマ耳が付いているのはどうして?」

ん、クマ耳?……あぁ、確かにクマさんの耳っぽく見えます、かね?

松潤にクマ耳?NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより

「可愛い松潤がこんな可愛いクマ耳つけたら、可愛すぎて斬れないよね!」

言われてみれば確かに可愛いけど、そういう目的でつけたのではなくてですね……。

これは単なる飾りではなく、吹返(ふきかえし)という兜の構成部品で、本来は重要な役割を果たしていました。

そこで今回は、この吹返をはじめ兜の各パーツについて紹介。ちょっと知って置くだけでも、兜を見るのが楽しくなりますよ!

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衝撃を分散・吸収する役割

兜の吹返がなぜ付けられたのかと言うと、その主目的は顔面及び側頭部の保護です。

首の後ろを保護する錣(しころ。錏とも)を頭の外周にそって大きく伸ばし、顔の横で両側へ曲げて作ります。

平安・鎌倉期の甲冑を再現した吹返の一例。背面の錣が伸びて顔面を保護しているのが判る。

その様子を風の「吹き返し」に見立てて、吹返の名前がつけられました。

これがどのように防御効果を発揮するのかと言いますと、描いたアーチ形状がクッションになって、打撃を分散・吸収してくれるのです。

だから初期(平安〜室町期)の兜は大きな吹返をつけて防御効果を高めたのでした。

そんな吹返が小さくなって言ったのは戦国時代。鉄砲の普及によって鎧や兜に金属・鉄板が多用されたので、あまり大きいと重すぎて動きにくくなるためです。

(※)それ以前の鎧兜は多く皮革や和紙などで軽さと丈夫さが工夫されており、大きな吹返でもそこまで苦になりません。

また、鉄砲の貫通力が大きいため吹返の形状による防御効果は見込めなくなっていました。

戦国期に入り、退化した吹返。なければないでしまりがなさそうだが、あっても防御効果はほとんどみこめなさそう。

とは言え、完全になくしてしまうのも味気ないと思ってか、こめかみ辺りに気持ちばかりの吹返が残されたのです。

決してクマ耳で可愛さアピールをしたかったのではありません。

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兜のパーツあれこれ

他にも兜はいくつかの部品に分かれており、主要な構成部品をいくつか紹介しましょう。

兜のパーツ一例。
  • 鉢(はち)……頭を保護するヘルメット部分。
  • 錣(しころ)……後頭部と首回り、肩を保護する。
  • 吹返(ふきかえし)……前述の通り。
  • 緒(お)……兜を頭に固定するあご紐。

その他、髷や烏帽子を通して兜を固定する天辺穴(てへんのあな。鉢の頂点にあける)や顔面を保護する面頬(めんぼお)、喉笛を保護する喉輪(のどわ)等にも注目です。

そして兜と言えば忘れちゃいけない、一番目をひく立物(たてもの)。鍬形やサイドの角などカッコいいですよね。

この位覚えておけば、何となく楽しめるかと思います。

NHK大河ドラマ「どうする家康」にはこれからたくさん個性的な兜が出てくるので、是非ともお気に入りを探して下さいね!

※参考文献:

  • 大山格 監修『カラー版 戦国武器甲冑事典 戦術、時代背景がよくわかる』誠文堂新光社、2015年4月
  • 笹間良彦『図解日本甲冑事典』雄山閣出版、1996年2月

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