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【季節の手仕事】初めてでも失敗しない!手づくり味噌の作り方

伝承民俗
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私事で恐縮ながら、今年で5回目となる味噌づくり(仕込み)を行いました。

前の晩から水を吸わせた大豆を煮込んで潰し、そこへ塩と米麹と種味噌を混ぜ込んで樽に詰め込むだけ……と言うのは簡単ですが、やってみるとなかなか大変。

でも、面白いのでここまで続いています。回数を重ねるたびに楽しくなってくるのも、味噌づくりの醍醐味と言えるでしょう。

皆さんの中に、味噌づくりを「やってみたいな」「やってみようかな」がいたら、私たちの味噌づくりが参考になるかも知れません。

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味噌づくりの流れ

味噌づくりの工程はおおむね以下の通りです。

1,大豆を洗って水を吸わせる(前の晩)

2,大豆を煮こむ(だいたい4時間)

3,大豆をすり潰す

4,塩と米麹、種味噌を混ぜる(米麹は2~3時間前に常温解凍)

5,大豆と塩などを混ぜる

6,樽に詰め込み、寝かせる(2~6の工程でだいたい6~8時間)

7,夏になったら天地返しを行う

8,出来上がり(秋~冬)

さっそく順番に見ていきましょう。

0,準備するもの

味噌づくりに必要な材料や道具は以下の通りです。

1.8キロの大豆。鍋にあけると、なかなかの迫力ですよ。

【味噌の材料】

1,大豆……1.8キロ
2,塩……0.85キロ(850グラム)
3,米麹……2.0キロ
4,種味噌……0.2キロ(200グラム)
5,水……6リットル以上

これで約7キロの味噌になります。ちなみに材料についてはセットで売っているため、特にこだわりがなければ買ってしまうのがいいでしょう。

※今回使用しているのはこちら(初回のみ樽つきを購入)

【味噌づくりの道具】

1,鍋(大豆をたっぷりの水で煮られる容量)
2,すり鉢(なくても大丈夫。フードプロセッサー等でも代用可)
3,仕込み樽(専用のものでなくても大丈夫)
4,落し蓋(なくても大丈夫。重石と組み合わせて味噌の空気を抜く)
5,重石(なくても大丈夫)
6,サランラップ等(保管時の空気やホコリを防ぐ)
7,その他容器(作業中、大豆や米麹などを仮置きする)

さぁ、これらが揃ったら味噌づくり(仕込み)を始めましょう。

仕込み時期は冬がおすすめです。よく「寒仕込み」と言われるように、寒いと雑菌が湧きにくいため成功率が高まります。遅くても3月中には済ませたいですね。

我が家では2月の下旬と決めてしまい、これをライフサイクルの定例行事として組み込んでいます。

すると「今年も味噌の仕込み=前年に仕込んだ味噌の解禁時期が来たね」など楽しみになってくるものです。

では、前置きはこのくらいにしてどんどん行きましょう。

※こちらは樽なしバージョン。

1,大豆を洗って水を吸わせる

大豆を水洗いして、2~3倍くらいの水につけ込んで吸わせます。

洗う目的は表面のゴミや農薬を落とすことなので、ザクザク洗ってしまいましょう。もし水が冷たくて嫌なら、たぶんぬるま湯などでも問題ないはず。

洗い終わったら、翌朝そのまま火にかけて煮られるよう、大きな鍋に入れてたっぷりの水を吸わせてやりましょう。

余裕があったら、水の違いでどう変わるか試してみたいですね。

洗う時は水道水でもいいですが、大豆に吸わせる水の質は味噌の質に影響しますから、水にこだわる方は大豆との相性を考えて吟味するといいかも知れません。

(我が家は普通に買えるミネラルウォーターで済ませています)

そして一晩水に漬けますが、10時間以上が目安です。十分に水を吸った大豆は、最初の2倍くらいに膨れ上がっているので、Before/Afterを見比べると楽しいですよ。

2,大豆を煮こむ

十分に水を吸わせたら、今度は大豆を煮こみます。

沸騰させてから約4時間(以上)。じっくりコトコト煮込んで下さい。煮上がりの目安は大豆が指でつぶせるくらいの柔らかさです。

煮ていると水がどんどん蒸発するので、すべての大豆がひたる程度の水位をキープしましょう(水面上に出ている大豆は煮えません)。

豆を煮ているところ。水位の低下と吹きこぼれに注意しましょう。

長時間にわたって火を使うので、火災と吹きこぼれに注意が必要です。大豆の煮汁が吹きこぼれた状態でコンロを放置すると、真っ黒に焦げついて掃除が大変なので、面倒でもなるべく早めに掃除しましょう。

なお、この大豆の煮汁は「種水(たねみず)」と呼ばれます。後で味噌を練り上げる(材料を混ぜ合わせる)時に足して柔らかくするのに使うことがあります。

飲んでみると濃厚な大豆の甘みを楽しめるので、捨てずにとっておく(他の料理に使うなどする)といいですよ。よい水を使っているなら、特に。

3,大豆をすり潰す

大豆が指でつぶれるくらいに柔らかく煮上がったら、すり鉢でつぶします。

この工程はフードプロセッサーなど機械で一気にやると楽な上、大豆のこなれ具合が均一になっていい感じです。

すり鉢でゴリゴリがんばります。

一方、すり鉢や手などと言った方法だとつぶしムラが出来ますが、それがまたいい味わいを生むこともあります。

また、手をふれることで皮膚の常在菌が味噌に移り、自分(作る人)の体質や好みに合った味わいに発酵してくれる効果も期待できます。

昔から「手前味噌」などと言いますが、自分で作った味噌がいちばん美味しく感じるのは、気分的な理由だけではないようです。

味噌汁など飲んでいて、たまにつぶし損ねた豆カスが出て来ると、ラッキーな気分になれるのも手作り味噌ならではの醍醐味と言えるでしょう。

とは言え、あまりに手抜きをすると発酵が上手く行かないため、「手作業でも機械でも徹底的につぶす」姿勢が基本です。

※作業が楽なフードプロセッサーをお探しの方はこちら

4,塩と米麹、種味噌を混ぜる

さて、大豆をすりつぶしている間に人手が空いているなら、その人には塩と米麹と種味噌を混ぜておいてもらいましょう。

※米麹は冷凍されていることが多いため、味噌づくりを始める2~3時間前から常温でゆっくり解凍しておきましょう。ちょっとくらい凍り残っていても作業は進められますが、塩と氷の相乗効果で手がとても冷たいです。

混ぜ合わせた塩と米麹と種味噌。これだけでも何だか美味しそうです。

塩は味噌の防腐・防カビ効果、米麹は大豆の発酵を促します。また、種味噌はこれも何というか、大豆たちの発酵をリードする先輩的な存在と言えるでしょうか。

我が家の場合、前の年に仕込んで完成した味噌もいくらか(おたま一杯分くらい)合流させます。こうすることで「手前味噌」度がどんどん上がっていくはずです。

味噌づくりを一回きりで終わらせず、何年も繰り返すとこういう喜びが得られます。

ここで注意すべきポイントは、米麹と塩は徹底的に混ぜること。手抜きをすると発酵ムラが出来てカビ≒失敗のリスクが高まってしまうでしょう。

種味噌を混ぜることで全体が薄茶色くなるため、混ざり具合を確かめることが出来ます。

5,大豆と塩などを混ぜる

米麹たちが混ざったら、今度はすりつぶした大豆たちと混ぜ合わせる作業です。

ここでも混ぜムラがないよう、しっかり混ぜるのですが、米麹に比べて大豆は重いので結構な力仕事になります。

すべて混ぜ合わせ、樽に仕込んだ状態。よく見ると、米麹のつぶつぶが光っています。

米麹の粒つぶがまんべんなく見える状態、あるいは大豆のかたまりを握り込んだ時、指の間に米粒の感触が得られる状態が目安でしょうか。

「もういいでしょ……」

と思ってみても、最後にもう一度だけ確認すると、白いところ(種味噌の色がついていない=米麹&塩も行き届いていない)が残っていることも多いです。

複数名で作業するなら、交代しながら混ぜることで、より確実に混ぜ込めるでしょう。

6,樽に詰め込み、寝かせる(2~6の工程でだいたい6~8時間)

すりつぶした大豆と米麹と塩と種味噌がしっかりまざったら、後は仕込み用の樽に詰めるだけなのですが、ここでは空気の混入を少しでも防ぐことがポイントです。

よく味噌玉(今まで混ぜ合わせてきた材料を丸めたもの)を甕の中へ叩き込んでいるシーンを見ますが、あれは味噌の中に入った空気を叩き出すための作業。

ですが別にあそこまでしなくても、味噌玉を一つずつグイグイぎゅうぎゅうと押し込んで行けば大丈夫。

丹念に丹念に、底へ押しつけて全体へ広げていきましょう。表面を均一に保つイメージで、かさ(水位)を徐々に上げていきます。

すべての味噌玉が詰め終わったら、表面に化粧塩(けしょうじお)をまぶしてカビを防ぎ、その上からラップをびっちりかけて少しでも空気と触れるのを防ぎましょう。

味噌にお化粧をしてあげる気持ちで。

中には和紙(漂白剤など薬品を使用していないもの)をしいた上から焼酎などアルコール度の強い酒で湿らせ、密着させることで空気を防いで殺菌効果も図る方法もあるそうです。

その上から落しブタ&重石をすることで味噌に圧をかけ、味噌の中に混ざった空気を抜いたり水分を均一にしたりなど、より良質な味噌づくりが期待できます(落しブタ&重石はなければないでも大丈夫です)。

さらに樽のフタをしてホコリ除けの手ぬぐいやラップなどをかけ、風通しのよい冷暗所にしまいましょう。

これで味噌の仕込みは完成です。

お疲れ様でした……の前に、使った鍋やすり鉢などの道具を片づけるまでが味噌づくり。もう一息がんばりましょう。

7,夏の天地返し

それから数カ月が経って、味噌を仕込んだことなんてすっかり忘れかけそうな7~8月ごろ。暑い夏の盛りに味噌の天地返し(てんちがえし)を行います。

と言ってもやることは簡単。仕込んでおいた味噌を発掘して、その中身をまんべんなく混ぜ合わせるだけ。

なぜこの作業が必要なのかと言うと、仕込んでおいた味噌の中にある水分が下へ沈み、味噌の上下で発酵ムラができてしまうからです。

「美味くなれ、美味くなれ」念を込めるように混ぜ返しこね返し。

それをよく混ぜ直すことで味噌内の水分≒発酵度合いを均一化させる作業がこの天地返し。

とは言え、恐らく数カ月の間に容器はホコリをかぶり、空気が触れていた表面部分に大なり小なりカビが生えていることでしょう。

この粘土みたいなカビは食べても害はないため、面倒な方は見なかったことにして混ぜ込んでもいいのですが、とうぜん味はよくありません。

ですから、よりよい味噌づくりを目指す方はしっかりと取り除きましょう。我が家でも最初の年はけっこうな量を取り除きましたが、回数を重ねるにつれ取り除く量も減り、味噌が長く楽しめるようになってきました。

なお、毛玉がモフモフしているようなカビは決して食べてはいけません。おそらく塩分が足りなかったか混ぜムラがあったか、またはがっつり空気に触れてしまったのでしょう。

その場合は完全に失敗なので、残念ながら仕込んだ味噌は廃棄処分となります。

我が家では幸いにして今までそのような事態は迎えていませんが、塩分をケチったり、混ぜる手間暇を惜しんだりすると失敗リスクが高まる傾向があるようです。

さて、ホコリやカビを取り除いたあとに醤油みたいな液体が味噌の表面にたまっているかも知れません。

これは文字通り「たまり」と言い、味噌の発酵が順調である証です。旨味が凝縮されているのでそのまま味噌に混ぜ戻してもいいですし、くみとって醤油がわりに使ってみても独特な風味が楽しめます。

しっかり混ぜ終わったら、再び樽に詰め直して更に寝かせましょう。

8,出来上がり(秋・冬~)

そして夏を越したら味噌は完成です。後は長く寝かせるほど熟成していくのですが、我が家では基本的に翌年の仕込みまでとしています。

でも、余裕が出来たら3年熟成とか8年熟成とか挑戦してみたいですね。

「仕込みから一年寝かせたものが、コチラになります」

ともあれ味噌とのご対面。もう後は好きなように使って下さい。

実は仕込みの時点で味噌の味にはなっているのですが、1年間寝かせることで味に深みが出てきます。
試しに仕込んだ時点の味噌を写真にとっておいて、半年後の天地返しや、一年後に取り出した時と比べてみると楽しいですよ。

塩と手間暇さえケチらなければ誰でもつくれるシンプルさ。おうち時間のお供として、味噌づくりにチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

※もっとお手軽にやってみたい方はこちらもどうぞ。

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