鎌倉市今泉に散在ガ池(さんざがいけ)森林公園があります。こちらは江戸時代に出来たため池で、現在は公園として整備され、鎌倉市内外の皆さんに親しまれてきました。
今回はこちら散在ガ池森林公園にまつわる歴史や伝承を紹介。皆さんが鎌倉散策を楽しむ参考になれば幸いです。
散在ガ池の歴史

江戸時代、大船・岩瀬(いずれも鎌倉市)の一帯は大船千石(おおふなせんごく)と呼ばれる大水田地域でした。
しかし千石の米を育てる水源は近くを流れる砂押川しかなく、水量は常にギリギリで、日照りの年はしばしば水争いが勃発したそうです。
事態を憂慮した小菅村(横浜市栄区)の梅沢与次右エ門(うめざわ よじえもん)と岩瀬村の栗田源左エ門(くりた げんざえもん)は明治2年(1869年)、協議の結果ため池を造ることにしました。
場所は今泉村・岩瀬村・大船村が入会地(いりあいち。共有林)としていた称名寺(しょうみょうじ。鎌倉市今泉)の持ち山で、谷間に土俵を積み上げて関を造り、山からの湧水や雨水を貯めたのが散在ガ池の始まりです。
散在ガ池とは、この辺りに三ヶ村(今泉村・岩瀬村・大船村)の持ち山が散在していたことから名づけられました。
かくしてため池が完成したものの、当初はとても小さかったため、とても水不足を解消するまでには至りません。
その後も水争いが繰り返されたことから、昭和(1926年~)に入って大船と岩瀬の水利組合が改めてため池を改修し、現代の形になったと言います。
散在ガ池の伝承「神次の話」とは

この散在ガ池は中心部が急に深くなっていることから、昔から子供が水死する事故が頻発していました。
遊ばなければいいのですが、大人から禁じられるほど遊びたくなってしまうのが、子供という生き物です。
何とか子供たちが散在ガ池に近づかないようにしなければ、そう考えた大人たちは「神次(しんじ)の話」という童話を作って子供たちに聞かせました。
神次の話・あらすじ
今は昔、子供のいない夫婦が神頼みをしたところ、男の子を授かったので神次と名づけて育てます。
成長した神次は散在ガ池で遊ぶのが大好きでしたが、ある時何物かに憑りつかれてしまいました。神次を散在ガ池で遊ばせたら命が危ないということで、両親は神次を家に閉じ込めます。
大好きな散在ガ池に行けなくなった神次は、すっかり元気をなくしてしまいました。そして日に日にやせ衰え、明日をも知れぬほど弱ってしまったのです。
神次が息も絶え絶えに「この世の思い出に散在ガ池を見ておきたい」と懇願すると、両親はこれを許します。すると神次は喜び勇んで散在ガ池へ向かいました。
散在ガ池では大きなナマズが暴れており、神次は池に飛び込んでナマズと共に水中へと沈んでいきます。
やがて池の水が真っ赤に染まり、神次は二度と姿を見せることはありませんでした。
何とも不気味な物語ですが、果たして子供たちはどんな思いでこれを聞いていたのでしょうか。
散在ガ池を散策

それでは実際に、散在ガ池をぐるりと一周散策してみたいと思います。
今回のコースは正面入口→管理事務所→のんびり小径→散在ガ石の採石跡→馬の背の小径→管理事務所→正面入口をたどりました。




















【おまけ】園内の看板たち








自然の紹介にかなり力を入れている印象でした。他にもたくさんあるので、お時間の許す限り読んでみてください。
【おまけ】せせらぎの小径

今回は(というかもう何年も)通行止めになっていたこちら「せせらぎの小径」。とても野趣にあふれるおすすめスポットです。
残念ながら立ち入れないため、遠くから撮った写真で、何となく雰囲気を感じてもらえればと思います。


まとめ

今回は鎌倉市今泉台にある散在ガ池森林公園を紹介してきました。
湖と緑がとても美しい一方で、鬱蒼としげった森の一部にはカメラを向けるのも怖く、早く通り過ぎたくて仕方ないような暗い場所もあります。
※そういう暗い場所については、今回写真を撮っていません。ごめんなさい。
天気のよい日中、かつ成人男性であっても、一人で訪れるのはちょっと怖いかもしれません。
例えば小学生を含む家族連れなどで、冒険気分を味わうには絶好のスポットと言えるでしょうか。
所用時間は成人男性がスタスタ歩いて30分強(湖の周りを一周)、自然を楽しんだり休憩したりであれば、1~3時間は楽しめそうです。
散在ガ池森林公園

- 所在地:鎌倉市今泉台7丁目930番1
- 開園時間:8:30~17:15
- 休園日:12/29~1/3
- 入園料:無料
- アクセス:大船駅東口5番バス乗り場から「大船駅(循環)」行→「今泉不動」下車→徒歩3分
- 駐車場:なし
- 外部リンク:鎌倉市/散在ガ池森林公園の紹介

