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信長に追放されてしまった佐久間信盛(立川談春)は、どんな生涯を送ったの?【どうする家康】

戦国時代
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第25回放送「はるかに遠い夢」で、織田信長(演:岡田准一)に追放されてしまった佐久間信盛(演:立川談春)。

劇中では築山殿事件(天正7・1579年8月29日~9月15日)の直後なので、同じく天正7年(1579年)内のことに描かれています。しかし実際に信盛が追放されたのは、その翌年の天正8年(1580年)でした。

国立国会図書館 蔵『絵本石山軍記』より、追放される佐久間信盛父子の図(佐久間信盛父子天王寺対塁より追放せらる図

当時の信盛は大坂の石山本願寺(いしやまほんがんじ。一向門徒の総本山)を攻めていましたが、大軍をもって包囲しながらなかなか攻略できずにいたのです。

結局は信長と石山本願寺と和睦したため、もはや用済みとなった信盛は追放されてしまいました。

そんな信盛はどのような生涯を送ったのでしょうか。今回は江戸時代の系図集『寛政重脩諸家譜』より、佐久間信盛の生涯をたどってみたいと思います。

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明智光秀の讒訴によって追放される

●信盛 右衛門尉
織田右府につかへ、尾張国山崎の城主となり、のち近江国永原城にうつり浅井長政等と相戦ふのとき、軍忠をはげまし多く首級を得、のち右府の命をうけてしばしば戦功あり。永禄十年信康君に嫁せらるゝにより、嘉儀の使として岡崎にいたる。元亀三年三方原の役に、瀧川一益平手汎秀とともに援兵として浜松にきたる。天正三年五月長篠にをいて東照宮右府の両軍武田勝頼と合戦のとき、信盛右府の先鋒にありて瀧川一益とともに軽卒を指揮して三千挺の火炮を放たしめ挑み戦ふ。八年明智光秀が讒によりて右府の勘気をかうぶり、紀伊国高野山にのがれ、のち病を癒せむがため同国十津川の温泉に浴し、十年正月二十四日彼地にをいて死す。年五十五。法名宗祐。葬地信晴におなじ。

※『寛政重脩諸家譜』巻五百三十一 平氏(良文流)佐久間

【意訳】織田信長に仕えて尾張山崎城(愛知県名古屋市)を与えられます。後に近江永原城(滋賀県野洲市)へ移り、浅井長政(演:大貫勇輔)らとの戦いで数々の武勲を重ねました。

永禄10年(1567年)に信長の娘・五徳(演:久保史緒里)が松平信康(演:細田佳央太)へ嫁いだ時は、嘉儀(かぎ。祝い事)の使者として岡崎を訪ねます。

三方ヶ原の合戦(元亀3・1572年12月22日)では瀧川一益(たきがわ かずます)や平手汎秀(ひらて ひろひで)らと共に援軍に駆けつけました。

「長篠合戦図屏風」より、前線で指揮を執る佐久間信盛。

そして長篠の合戦(天正3・1575年5月21日)では織田の先鋒として瀧川一益と共に鉄砲隊を指揮、武田勝頼(演:眞栄田郷敦)の精鋭を撃破します。

しかし天正8年(1580年)に明智光秀(演:酒向芳)の讒訴を受けて失脚、紀伊国高野山へ追放されてしまうのです。

やがて病をわずらった信盛は、療養のため同国十津川温泉(奈良県十津川村)を訪問。天正10年(1582年)1月24日に現地で亡くなりました。享年55歳。

……30年以上にわたって信長の下で忠功に励みながら、やがて新進気鋭の後輩たちに抜かされつつあった信盛は、ついに光秀に陥れられてしまったと言います。

ただし光秀の言い分もまったくの事実無根という訳ではなく、信盛たちは石山本願寺を包囲しながらのんびり茶会を開くなど、職務怠慢ぎみではあったそうです。

信盛の死因については諸説ありますが、単なる病死ではなく暗殺されたとか、あるいは足を滑らせて崖から転落死したなどとも言われています。

いずれにしても、非業の死であったことには変わりないでしょう。

ちなみに『信長公記』によれば佐久間信盛は天正10年(1582年)1月16日以前に亡くなっており、『寛政重脩諸家譜』と日付のずれが生じています。

正月十六日 先年 佐久間右衛門父子 蒙御勘当致他国紀伊国熊野奥尓て病死仕候不便ニ思食候歟 子息 甚九郎事国之安堵御赦免儀被仰出濃州岐阜祇候いて 三位中将信忠卿へ御禮被申上候也

※『信長公記』巻之十五 天正十年壬午

十津川温泉で客死した信盛を哀れに思った信長は、共に追放されていた息子の甚九郎(じんくろう。佐久間信栄-のぶひで)を赦してやったということです。

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終わりに

家康と向き合う佐久間信盛(右)。NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト(登場人物)より

家康に難題を突きつける食えない男
佐久間信盛 さくま・のぶもり
[立川談春 たてかわだんしゅん]
信長の父・信秀の代から織田家に仕える筆頭家老。信長の無謀さや羽柴秀吉、柴田勝家たち次世代の台頭に危機感を覚えつつも、織田家の足元を支える老獪な政治家。東部方面の戦略、徳川の監視役を任され、家康に無理難題をたびたび突きつける。

※NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト(登場人物)より

大河ドラマでは恐らくこのままフェイドアウトであろう信盛。それにしても、徳川家康(演:松本潤)に対する「無理難題」を楽しみにしていたのに、結局何もなかったのは残念でしたね。

また、柴田勝家(演:吉原光夫)や羽柴秀吉(演:ムロツヨシ)らとの対立や確執についても、しっかり描いて欲しかったところです。

ともあれ、お疲れ様でした。立川談春の渋い演技を、また別の作品でも拝見したいと思います。

※参考文献:

  • 『NHK大河ドラマ・ガイド どうする家康 後編』NHK出版、2023年5月
  • 『寛政重脩諸家譜 第三輯』国立国会図書館デジタルコレクション
  • 太田牛一『信長公記 巻下』国立公文書館デジタルアーカイブ

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