Instagram始めました。よろしくお願いします!

【鎌倉殿の13人】北条の家督は誰が継ぐ?牧の方(りく)が産んだ時政の「嫡男」北条政範を紹介

大河ドラマ
スポンサーリンク

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、小四郎こと義時(演:小栗旬)は江間の領地を治め、江間小四郎義時と名乗ることに。

「となると、北条の家は誰が継ぐの?」

「今のところは小四郎殿だけど」

「今のところって、じゃあもしかすると誰が継ぐの?」

「そりゃあもちろん……」

父・北条時政(演:坂東彌十郎)の正室である“りく(牧の方。演:宮沢りえ)”が産んだ男児。この時点では、あくまで彼女の願望ですが。

この時代、母方の家系が及ぼす影響は大きなものでした。先に生まれた男児であっても、母の身分や実家の家柄が低ければ家督継承において不利となります。

義時の母親は伊東祐親(演:浅野和之)の娘。既に彼女自身が生きていないことに加え、伊東家も罪人扱いであるためかなり不利です。

待望の嫡男を授かった時政(イメージ)

かくして嫡男のいない北条家において、やがて“りく”が待望の男児を出産しました。

今回はそんな時政の「嫡男」北条政範(ほうじょう まさのり)を紹介したいと思います。

スポンサーリンク

母のお陰で10代からエリート街道を歩む

北条政範は文治5年(1189年)に誕生。この年は奥州へ逃れた源義経(演:菅田将暉)を匿ったとして藤原泰衡(演:山本浩司)を討伐するなど、何かと騒がしい年でした。

通称は遠江左馬権助(とおとうみ さまごんのすけ)。時政が正治2年(1200年)4月1日付で遠江守(現:静岡県西部の国司)に任じられているため、その息子であることを示しているのでしょう。

北條殿。去一日任遠江守。敍從五位下給。彼除書今日到來云々。
※『吾妻鏡』正治2年(1200年)4月9日条
【意訳】北条時政殿は、さる4月1日付で遠江の国司に任じられ、従五位下の位階に叙せられた。その事例が今日届いたそうな。

その後、政範は左馬権助(朝廷の馬を管理する左馬寮の副官=助。権は員数外の意)の官職と、従五位下の位階を授かっていることが分かります。

『武者鑑』より、北条時政

父・時政が還暦を過ぎてようやく従五位下となれたのに対し、政範はまだ十代で同じ位階。やはり、京都につながりの深い牧氏の影響力は大きかったようです。

対する義時が従五位下となったのは元久元年(1204年)。時政よりは早いものの、政範に比べて後れをとっているのは否めません。

若くしてエリート街道を歩み、このまま北条の家督を継承するものと期待されていた政範。しかし元久元年(1204年)11月、京都で急死してしまいます。

悲嘆に暮れる時政と牧の方

元久元年十一月大五日癸亥。子尅。從五位下行左馬權助平朝臣政範卒〔年十六。于時在京〕。
※『吾妻鏡』元久元年(1204年)11月5日条

【意訳】子の刻(真夜中ごろ)、政範が亡くなった。享年16歳、京都にて。

從五位下行左馬權助平朝臣政範(じゅごいのげ こう さまごんのすけ たいらのあそん まさのり)……行とは挟み言葉で、官職に比べて位階の高い状態を指します。

(通常、左馬助の官職には正六位の者が当てられました)

上洛の途上から体調不良を訴えていた政範(イメージ)

政範が京都に来ていたのは、時の第3代将軍・源実朝(演:柿澤勇人)の正室となる坊門信清女(ぼうもん のぶきよのむすめ。実名不詳)を鎌倉に迎えるためでした。

鎌倉で政範の訃報に接した時政、牧の方は悲嘆に暮れたと言います。

終わりに

元久元年十一月大十三日辛未。遠江左馬助。去五日於京都卒去之由。飛脚到着。是遠州當時寵物牧御方腹愛子也。爲御臺所御迎。去月上洛。去三日京着。自路次病惱。遂及大事。父母悲歎更無可比云々。

※『吾妻鏡』元久元年(1204年)11月13日条

【意訳】政範の訃報が京都よりもたらされた。時政の寵愛している牧の方が産んだ子である。将軍の御台所を迎えるため、10月に上洛していた。11月3日に京都へ着いたが、道中から具合が悪く、ついに帰らぬ人となった。両親は比べようのないほど悲嘆にくれた。

……時政と牧の方には他の男児がなく、これが後に娘婿の平賀朝雅(ひらが ともまさ)擁立へとつながります。

牧の方・平賀らの謀略によって討たれた畠山重忠。月岡芳年筆

実朝を廃して朝雅を将軍に……後世「牧氏事件」などと呼ばれるクーデター計画、果たして成功するのでしょうか。

その結果は十中八九「鎌倉殿の13人」でも描かれるはずなので、今から楽しみにしています。

※参考文献:

  • 坂井孝一『鎌倉殿と執権北条氏 義時はいかに朝廷を乗り越えたか』NHK出版新書、2021年9月
  • 安田元久『北条義時』吉川弘文館、1986年4月

コメント

タイトルとURLをコピーしました