NHK大河ドラマ「光る君へ」皆さんも楽しんでいますか?
第21回放送「旅立ち」では、国司(越前守)として越前国(現:福井県)へ赴任した藤原為時(岸谷五朗)。
娘のまひろ(紫式部。吉高由里子)もこれに同行、前年に漂着した宋人たちに興味津々です。
そんな彼らを出迎える越前の役人たち。越前介(次官)の源光雅(玉置孝匡)、越前大掾(三等官)の大野国勝(徳井優)、通詞の三国若麻呂(安井順平)……名前が出ているこの3人について調べたところ、少なくともネット上には手がかりがありません。
【仮定】記事執筆時点ではモデルとなっている実在人物の手掛かりなし。
本作の創作人物なのでしょうか?引き続き調べてみたいと思います。
今回は彼らが務める国司の官職について、ざっくり調べました。大河ドラマを楽しむ参考になれば幸いです。
各国に配置された国司たち
国司は上から守(かみ)・介(すけ)・掾(じょう)・目(さかん)の四等官はじめ史生(ししょう)や博士(はかせ)、医師などから構成されました。
【越前国における序列】
※劇中に登場する人物のみ
越前守(長官)……藤原為時
越前介(次官)……源光雅
越前大掾(三等官)……大野国勝
通詞(宋人との通訳)……三国若麻呂
中央に対して租税など一定の義務を果たせば、後は政治・軍事・司法・祭祀などを自由に出来たと言いますから、非常に大きな権限を持っています。
劇中で藤原宣孝(佐々木蔵之介)が国司(筑前守)として富を蓄えたというのは、そうした役得によるものです。
ちなみに四等官はすべての国に全員が揃っている訳ではなく、大国・上国・中国・下国によってポストが異なりました。
国のランキングなんて何だか気分が悪いですが、中央当局から見て「税収が多いか少ないか」で判断されたようです。
【四等官の配置】
大国:守・介・大掾(だいじょう)・少掾(しょうじょう)・大目(だいさかん)・少目(しょうさかん)
上国:守・介・掾・目
中国:守・介・掾・目
下国:守・目
【参考・律令国ランキング】
※ランキング同士は順不同。
※現代の相当都道府県は、少しズレていることもあります。
大国(13ヶ国)
大和国(奈良県)・河内国(大阪南部)・伊勢国(三重県)・武蔵国(東京&埼玉)・上総国(千葉中部)・下総国(千葉北部)・常陸国(茨城県)・近江国(滋賀県)・上野国(群馬県)・陸奥国(青森&岩手&宮城&福島)・越前国(福井県)・播磨国(兵庫県)・肥後国(熊本県)
上国(35ヶ国)
山城国(京都中央)・摂津国(大阪北部)・尾張国(愛知西部)・三河国(愛知東部)・遠江国(静岡西部)・駿河国(静岡東部)・甲斐国(山梨県)・相模国(神奈川県)・美濃国(岐阜南部)・信濃国(長野県)・下野国(栃木県)・出羽国(秋田&山形)・加賀国(石川南部)・越中国(富山県)・越後国(新潟県)・丹波国(京都中部)・但馬国(兵庫北部)・因幡国(鳥取東部)・伯耆国(鳥取西部)・出雲国(島根東部)・美作国(岡山東部)・備前国(岡山東部)・備中国(岡山西部)・備後国(広島東部)・安芸国(広島西部)・周防国(山口東部)・紀伊国(和歌山県)・阿波国(徳島県)・讃岐国(香川県)・伊予国(愛媛県)・豊前国(大分北部)・豊後国(大分県)・筑前国(福岡北部)・筑後国(福岡南部)・肥前国(佐賀&長崎)
中国(11ヶ国)
安房国(千葉南部)・若狭国(福井西部)・能登国(石川北部)・佐渡国(佐渡島)・丹後国(京都北部)・石見国(島根西部)・長門国(山口西部)・土佐国(高知県)・日向国(宮崎県)・大隅国(鹿児島東部)・薩摩国(鹿児島西部)
下国(9ヶ国)
和泉国(大阪南部)・伊賀国(三重北西部)・志摩国(三重東部)・伊豆国(伊豆半島)・飛騨国(岐阜北部)・隠岐国(隠岐島)・淡路国(淡路島)・壱岐国(壱岐島)・対馬国(対馬島)
為時はもと淡路守に任じられたのが、ゴネ得で越前守に。
下国から一気に大国の国司なんて、ちょっとただ事ではないのがわかります。
為時の詩がよほど一条天皇(塩野瑛久)のお気に召したのか、それとも藤原道長(柄本佑)が強く推したのか……。
いずれにしても、願いは言ってみるものですね。
終わりに
越前介 源 光雅(みなもとのみつまさ)
※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト(登場人物)より
玉置 孝匡(たまき・たかまさ)
越前国で介(すけ)を務める役人。
越前大掾 大野 国勝(おおののくにかつ)
※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト(登場人物)より
徳井 優(とくい・ゆう)
越前国で大掾(だいじょう)を務める役人。
三国若麻呂
※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイト(登場人物)より
松原客館の通詞 三国 若麻呂(みくにのわかまろ)
安井 順平(やすい・じゅんぺい)
松原客館で宋人との通訳を務める役人。
今回は新登場の3名よりも、国司についてざっくり紹介してきました。
本作は主要人物を除いて空気となりがちですが、恐らく彼らもあまり存在感なく終わりそうです。
しかし彼らのような下級官人はなかなか味わい深く、心惹かれる魅力があります。
これからも彼らのような存在に注目しながら、大河ドラマの平安絵巻を楽しんでいきましょう!
R6.6.3(月)追記
……若麻呂、さっそく殺されてしまいましたね……。
果たして若麻呂を殺したのは、朱仁聡らに罪を着せたい源光雅らか、それとも本当に朱仁聡らなのか……。
朱仁聡の潔白を証明するため、証人を連れてきた周明(松下洸平)が次週どんな活躍を見せるのか、これからも注目です。
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